お役立ちコラム【暮らしのヒント】

賃貸にエアコンは1台だけ?2台目の設置は?その他の解決策も紹介。

お部屋探しの際には、物件情報に記載された内容はとても重要なポイントですよね。自分が求める条件に合っているのかを、物件情報で判断する方は多いでしょう。

エアコン付きのお部屋を探している場合、内見時にがっかりすることも……。室内設備に「エアコン」の記載があるからといっても、間取りのすべての部屋に完備されているとは限りません。たとえば2DKや2LDKのように広い間取りでも1台しか付いていないケースはよく見受けられます。

今回の記事では、賃貸物件のエアコン事情について解説します。また、2台目の設置はできるのかという点も気になるポイントですよね。台数の追加や1台だけで暮らすための解決策もご紹介します。夏や冬、エアコンがなくてはつらい時期をがんばって乗り越えましょう。

賃貸物件にエアコン付きは一般的?

まずは、賃貸物件にエアコンが付いていることが一般的なのかについて、見てみましょう。もし1台しか付いていなかった場合の交渉のコツもご紹介します。

賃貸物件のエアコン普及率は約8割

賃貸物件にはほぼエアコンが付いているため、むしろ無いほうが珍しいでしょう。では、どれくらいの割合でエアコンが付いているのでしょうか。2023年3月に国が実施した「消費動向調査」の結果を見ると、エアコンの設置割合がわかりますよ。

単身世帯と2人以上世帯のどちらも、賃貸物件のエアコンの設置率は8割前後ということがわかりますね。ただし間取りの広さに関係なく1台のみ設置されているパターンが一般的です。2台も付いているケースはほとんどありません。エアコンが複数台設置された物件には、PR文や詳細情報に「エアコン2台以上」のように記載があります。情報をよく見て、物件探しをしましょう。

交渉の余地はあり

賃貸物件に2台目を設置してもらうために大家さんや不動産管理会社と交渉は可能です。交渉すれば、必ず付けてもらえるというわけではありません。しかし無理は承知でも、相談するだけの価値はあるでしょう。

2台目のエアコンの設置には費用がかかるため、大家さんや不動産管理会社は消極的な対応に。しかし特定の条件を提示することで、交渉の余地が生まれる可能性はあります。たとえば、契約前の段階で「2台目のエアコンが設置されたら入居する」と伝えるということが挙げられます。

空室だった部屋に確実に入居する人が現れるため、大家さんや不動産管理会社にとっては、とても嬉しい存在になることでしょう。2台目のエアコンがないからといって始めから諦めずに、気になるお部屋を見つけたときは交渉してみるのも1つの方法です。

エアコン1台だけで暮らすには?

「エアコンは1台しかない」「でもこの間取りや立地が気に入った」というとき。エアコン1台だけでも暮らすコツをご紹介します。工夫次第で、エアコンが2台なくても暮らせますよ。

エアコンの空気を効率よく循環させる

エアコンをフル稼働させても、1台しかないので室温を一定にするのは時間がかかるものです。また、間取りの端の方にまで空気が届かず、暑いもしくは寒いままということも起こります。エアコンが1台だけしかないからこそ、空気を効率よく循環させて室内の温度を一定にしましょう。

エアコンから出る空気を扇風機やサーキュレーターを使って、お部屋の隅々まで行き渡るようにします。エアコンだけで室内を冷やしたり温めたりするより、短時間で適温にできるでしょう。ただし間取りによっては、循環しづらいため効率が下がり、電気代が高額になる恐れも。

お部屋選びの時点で、空気が循環しやすい間取りを選ぶことをオススメします。たとえば、開放感のある間取りやエアコンがある空間とドアを開けるだけでつながれる間取りなどは、空気を循環させやすいでしょう。内見時には、間取りの開放感にもぜひ着目してみてくださいね。

エアコンフィルターを掃除する

フィルターの掃除も1台だけのエアコンで生活するには重要な作業です。同じ設定温度でも、フィルターを掃除するだけで冷暖房の効きの違いに驚くことでしょう。

フィルターは空気中のホコリや汚れをキャッチするため、掃除をしなければ目詰まりを起こします。目詰まりをしたフィルターはエアコンから出る空気を塞ぐため、風量が弱い状態に。そのため、きれいなフィルターのエアコンより効きが悪いように感じるのです。定期的にフィルター掃除をして、1台で効率よく室温を一定にしましょう。

エアコンから取り外したフィルターのホコリを掃除機で吸い、優しく水で洗い流します。エアコンに取り付け前には、しっかり乾燥させることがポイントです。特に難しい作業ではないので、取り組みやすいでしょう。

遮光カーテンや遮熱シートを活用する

窓にも対策をして、効率よくエアコンが効くようにしましょう。遮光カーテンや遮熱シートを使い、窓から室内へ伝わる熱をできる限り抑えることも1台しかエアコンがないお部屋には効果的です。

夏は窓から暑い日差しが差し込むため、遮光カーテンを使用することで室内の温度上昇を抑えられます。遮熱シートは、外からの熱を反射する効果だけではありません。

外気と室温との間の窓にワンクッションを置ける遮熱シートは、夏だけでなく冬にも役立ちますよ。エアコンの暖房で暖かくなった室内の空気を窓側の冷気から守ってくれるでしょう。遮光カーテンや遮熱シートはホームセンターやインターネットサイトから簡単に手に入るため、手軽にできる対策ですよ。

夏は窓を開ける

暑い夏を快適に過ごすため窓を開けることも1つの方法です。エアコンだけでは隅々まで行き届かなかった空気も風通りの良い立地のお部屋なら、外からの入る風で室内の澱みがスッキリするでしょう。

ただ開いた窓から通行人と目が合うのはとても気まずいですよね。病院や警察署に近いお部屋ではサイレンの音も気になるかもしれません。そのため夏に窓を開けて過ごす方法は、周辺環境に問題がない立地の場合に向いています。

豊かな自然に囲まれたお部屋なら、心地よい風を感じながらリラックスができそうですね。ただし、川沿いのお部屋は窓を開けるのはあまりオススメできません。川沿いには虫が多いため、開いた窓から室内に虫が入ってくることも。窓を開けることを想定し、川からの距離にも注意してお部屋探しをしてみましょう。

エアコンを自己負担で増やすときの注意点

お部屋にエアコンが1台しかなくても、自分で用意すれば2台目の設置は可能です。ただし、自費で取り付ける場合には注意したいポイントが4つあります。どのような点に注意が必要なのかを把握したうえで、取り付けを検討してみてくださいね。

好きな部屋に設置できない

自費で付けるから、自由に取り付けができると思っていませんか。まずはお部屋の中に、エアコン配管の穴やコンセントがあるか、探してみてください。2台目用の穴やコンセントがあれば取り付け可能ですが、勝手に取り付けるのは止めましょう。事前に大家さんや不動産管理会社に設置場所の確認が必要です。

また工事業者や取り付け位置を指定される可能性もあるかもかもしれません。勝手に取り付けると後々になってトラブルへと発展する恐れがあるため、事前の確認が必須です。

2台目用のエアコン配管の穴やコンセントがない場合。このケースも大家さんや不動産管理会社に確認が必要ですが、取り付け許可が出ない可能性は高いでしょう。その理由は、取り付けるには壁に穴を開ける必要があり、お部屋に傷を付けることになるからです。2台目の取り付けが難しい場合は、1台で乗り切る方法を駆使して対応してください。

もし壁に穴を開けるOKが出ても、自分の好きな位置にエアコンが取り付けできません。大家さんや不動産管理会社が「穴を開けても良い」と思った位置が指定されます。どこの壁ならエアコンを取り付けて良いのかを確認して、業者に依頼してくださいね。

支払いが高額になる

支払いが高額になりやすい点にも注意が必要です。エアコン本体を購入しても設置は、素人には難しいもの。業者に依頼するため、本体代にプラスして設置費用が発生します。壁に穴が開いていない場合は、オプション工事費用が加算されることに。2階以上のお部屋は、室外機はベランダに設置するのが一般的です。

しかし、コンパクトサイズだったりそもそもベランダがないお部屋もあるでしょう。室外機を置くために、壁に取り付けたりベランダの天井から吊り下げたりなどの工事が別途発生します。さまざまな要素が重なり、エアコン設置費用は、間取りによっては高額になる可能性も。事前の見積もりで把握できますが、支払いが大きな負担ですね。

「中古で節約」が難しい

「工事費用がかかるなら、エアコン本体を中古品にしよう」と考える方もいることでしょう。エアコンの中古品を扱う業者はインターネットで検索するといくつも出てきますが、一般人の購入はあまりオススメできません。

中古のエアコンは冷媒ガスが抜けていたり、室外機が故障していたりなどトラブルに遭う可能性があります。またエアコンを使用していたときの状況や保管状態によって、品質や耐久性に良くない影響を及ぼす恐れがあります。

トラブルが発生せずに使えるのかと不安になる中古品を購入するより、新品の方が安心でしょう。メーカー保証やアフターサービスがついているため、もしものときには頼れますよね。

撤去費用が発生する

エアコンを自己負担で増やした場合、退去時にも問題が発生する点に注意してください。退去する際には、入居時状態に戻す「原状回復」が基本です。そのため、せっかく自己負担で取り付けたエアコンも、撤去しなくてはいけません。取り付けたときと同様に、撤去も素人にはできないため業者に依頼する必要があります。

「次の引っ越し先でエアコンを使おう」と考えていても、間取りが変わったりすでにエアコンが複数付いたお部屋だったりすると、2台目のエアコンが不要に。不要になったエアコンを中古の下取りしようにも、あまり良い値段が付きにくい点もデメリットです。

2台目のエアコンの取り扱いについて大家さんや不動産管理会社と相談してみると、解決策が生まれるかもしれません。エアコンが複数あるお部屋は、物件探しをしている方にとって、設備が整っている印象です。入居希望者が現れやすいため、取り付けた状態で退去しても良いと判断してもらえることも。「無理かもしれない」と始めから諦めずに、まずは相談してみましょう。

2台必要な期間が短いなら、マンスリーマンションも検討を!

「2DKや2LDKのような広い部屋に住みたい」「エアコンが1台しかないのは困る」

そのようなときには、大家さんや不動産管理会社と相談が必要ですが、自己負担で2台目のエアコンを設置が可能です。しかし2台のエアコンを必要とする期間が短い場合、自己負担するのがもったいないと感じませんか。せっかく取り付けても、退去の際には撤去費用が発生するケースは多いものです。

エアコンが2台必要な広い間取りで暮らすなら、マンスリーマンションも候補にしませんか。短期間だけ利用したい場合、マンスリーマンションはオススメの住まいです。

マンスリーマンションには家具家電付きが備え付けられているため、買いそろえる必要がありません。エアコンを取り付けるための手間や費用もかけずに快適な暮らしをスタートできます。短期間の契約ができ、敷金や礼金も不要です。間取りも豊富にあるので、「お試し住み」をするのにはピッタリでしょう。通常の賃貸物件の他に、マンスリーマンションも選択肢に入れて、お部屋探しをしてみてくださいね。

この記事を書いた人

澤田なつ/Webライター

2016年2月までCADオペレーターとして自動車部品の図面作成をしていました。2019年からフリーランスのWebライターとして活動しています。
執筆するときは「読者が知りたいことに寄り添える内容になっているか?」を意識しています。資格は、2級ファイナンシャル・プランニング技能士と簿記3級、図書館司書を持っています。
小学生の娘が2人います。趣味は裁縫で、娘たちが好きなアニメのコスプレ衣装を作ることが好きです。
着付け師範の資格を2012年に取得しており、講師経験もあります。最近では着付けの様子を動画で撮って、Instagramに投稿することにはまっています。

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