お役立ちコラム【暮らしのヒント】

マンスリーマンションのNHK受信料はどちらが払う? 法的な結論と対策法を解説。

2017年の最高裁判所での判決以降、様々な議論を巻き起こしているNHK受信料問題。現行の法律では、テレビをはじめNHK放送が映る機器を持っていれば、たとえ一切視聴していなくても毎月の受信料を払わなくてはいけないことになっています。

自宅でテレビを持つ持たないは個人の自由ですが、元々テレビが備え付けられていて設置するかどうかを選べないマンスリーマンションでは、マンションの管理会社と入居者のどちらがNHK受信料を支払わなければいけないのでしょうか。

今回の記事では、マンスリーマンションにおけるNHK受信料の支払い義務が入居者にある場合と、ない場合についてご説明します。たとえ少しの金額でも、支払う必要がないものにお金を取られるのは納得いきませんよね。契約前にしっかり契約書を確認するのがポイントですよ。

これからマンスリーマンションを借りようとお考えの方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

マンスリーマンションのNHK受信料を支払うのは運営会社? それとも入居者?

元々部屋にテレビが設置されていて、入居者がテレビの有無を選べないマンスリーマンション。NHK受信料は管理会社と入居者のどちらに支払い義務が生じるのでしょうか。

原則的には設備を設置した会社に支払い義務がある

NHK受信料の支払いについての裁判では、必ず放送法64条に定められた法律が争点となります。そこには「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない」と記載されています。これはNHK放送が受信可能なテレビを設置した者が、NHKと契約し受信料を支払わなければいけないということ。

つまり基本的にはテレビを観た人ではなく、設置した人に支払い義務があることになり、マンスリーマンションの場合は入居者ではなく管理会社にその責任が課せられます。

契約書次第で 入居者に支払い義務がある場合も

しかし契約書に「NHKとの契約は入居者が行う」と記載されていてそれに同意すれば、受信料の支払い義務を納得した上で契約したことになり、入居者はたとえNHKを視聴していなくても受信料を支払う必要があります。

すべての部屋にテレビが設置されていて、たとえ空き室であっても受信料が発生するマンスリーマンションの場合、金額が大きくなるため入居者に受信料を課す物件が多数存在します。「NHKは観ないから受信料も払いたくない」という方は、契約前に必ず確認することをお勧めします。

NHKは管理会社・入居者どちらにも請求可能

契約書に記載がなかった、入居前に支払い義務の確認がなかった場合はどうでしょうか。これまでテレビ付き賃貸物件におけるNHK受信料の支払いに関して入居者が起こした裁判では、いくつかの経緯を経た上で「管理会社と入居者のどちらに対してもNHKは請求可能」と最高裁の判例が出ているようです。

よって支払いを了承する旨を契約書でサインしていなくても、入居者に支払い義務が発生する可能性はあります。ただしNHKが請求できるのはあくまでNHKとの契約者のみです。マンスリーマンションの運営会社がNHKと契約しているNHKは運営会社にしか請求できません。また運営会社も入居者もNHKと契約していない場合は、どちらが払うべきかは確定していないといえます。

そのため、入居者は部屋を訪問してきたNHKの集金者に対して「運営会社と交渉して下さい」と契約を断ることは可能です。

NHK受信料は月額いくら? 観なくても支払わなければならないのはなぜ?

これまで多くの裁判で争われてきたNHK受信料問題。なぜテレビがあるだけで受信料を支払う義務があるのでしょうか。2023年に値下げされた月額料金とともに見ていきましょう。

NHK受信料は月額1,100円。衛生放送は1,950円

2023年10月より値下げされたNHKの月額受信料は、口座振替やクレジットカード払いの場合は地上波で1,100円。BS・CSを含む衛生放送が受信可能な機器の場合は1,950円です。地上波と衛星放送では月額850円の差があり、年間12,000円も違いが生じます。なるべく安い地上波で契約したいところですが、衛星放送を観る観ないにかかわらず受信可能な環境や機器であれば必ず衛星契約を結ばなくてはいけません。

マンションの場合は衛星放送が受信可能な環境が整っている場合が多く、地上波ではなく衛星契約になることがほとんどです。さらに2023年4月からは悪質な未払い者に対しNHKが2倍の割増金を請求できるようになったため、マンスリーマンションでも入居者に支払い義務がある場合は速やかに行った方が良いでしょう。

まとめ前払い割引や学割で節約可能

NHKをまったく視聴しない方にとって、強制的に徴収される月額料金は高く感じてしまいますよね。これらを少しでも減らすには、口座振替・クレジットカード払いのほか、まとめ前払いがオススメ。6ヵ月以上の受信料をまとめて前払いすれば通常料金から割引されますよ。また単身赴任や学生の一人暮らしなら、家族割引や学割も利用できます。

■まとめ前払い割引

2ヵ月前払い 6ヵ月前払い 12ヵ月前払い
衛星放送 3,900円(1,950円/月) 11,186円(1,864円/月) 21,765円(1,814円/月)
地上波放送 2,200円(1,100円/月) 6,309円(1,052円/月) 12,276円(1,023円/月)

■その他の割引制度

割引種別 家族割引 学生割引 その他
割引対象 主宅と同一生計の単身赴任・学生・別荘・別宅など 親元と別住居の学生で被扶養者・年収130万円未満・奨学金受給者など 被災者・身体障害者・福祉施設入居者など
割引率 半額 全額免除 全額免除

NHK受信料の徴収は、公共放送として報道の中立性を保障するため

NHK受信料の徴収に関しては様々な意見があり、視聴しなくても支払わなければいけないことに疑問を感じる方も多いでしょう。2017年の裁判では、受信可能機器を持つ全世帯がNHK受信料を支払う義務があるという判決を下しました。それはNHKがCMスポンサーによる広告料で経営している民放と違い、約97%を受信料でまかなう公共放送だからです。

公共放送は団体や企業に依存することなく、中立な立場で報道を行うスタンスで運営されています。税金が使われないのも、その時々の政党に偏った報道がなされないため。第二次世界大戦時、新聞などのメディアは政府に都合の良い情報のみを報道し、そのために国民が多くの犠牲を払ったという背景もあります。

日本の公共放送であるNHKは全国民に視聴権利があり、その権利に対する義務が受信料という理念です。世界的に見ても、公共放送の受信料が公共料金のひとつとして一律に国民から徴収されている国は多数存在しています。

テレビを持たずNHK放送を受信しない選択肢もあり

NHK受信料が義務づけられるのは、テレビチューナー内蔵のテレビ、チューナーやHDDレコーダーをモニターに接続しているパソコン、ブルーレイやDVDレコーダー単体、ワンセグ視聴可能な携帯電話、テレビが映るカーナビも対象機器となります。2024年時点では、これらすべてを撤去してテレビ受信機能のないスマホ一台で暮らせば、NHK受信料を支払わなくて済むでしょう。現在はインターネットや動画サイトでニュースが即時視聴できる時代。テレビ受信機器を持たない生活も、選択肢のひとつかもしれませんね。

マンスリーマンション契約時はNHK受信料も考慮して生活設計を立てよう

マンスリーマンションを契約する際に確認が必要なNHK受信料の支払い義務。入居者が支払う契約になっている場合、どのような注意点があるでしょうか。

マンスリーマンションで入居者にNHK受信料支払い義務がある場合の注意点とは?

これまでご説明してきた通り、マンスリーマンションを借りる際はNHK受信料の支払い義務が管理会社と入居者のどちらに発生するか、契約前に確認が必要です。入居者にNHKとの契約・支払い義務があり、さらに衛星放送が受信可能なマンションであれば月額2,000円近くかかるため、受信料も考慮して生活費の計画を立てる必要があるでしょう。

電気やガス代、Wi-Fi利用料がすべて賃料に含まれているマンスリーマンションは(一定の使用量を超えると加算される場合あり)、1ヵ月間にかかる生活費を計算しやすのが特長。NHK受信料が思わぬ出費とならないよう、事前に考慮しておきたいですね。

またNHKと契約した際に口座振替やクレジットカード払いを選んだ時は要注意。マンスリーマンションを退去した後も契約が自動更新され、受信料が請求され続けてしまいます。一旦引き落とされた料金の返還手続きは非常にめんどうで時間がかかるため、退去が決まった際は必ずNHKに契約解除、もしくは新たな居住地へ住所変更をしておきましょう。振込用紙での支払いを選択した場合でも、解約しておかないと未払いとなり、最悪の場合は2倍の割増金が請求されてしまいますよ。

動画配信サービスが無料で利用できるマンスリーマンションも!

マンスリーマンションの中には、AmazonプライムビデオやNetflix、U-NEXTといった有料の動画配信サービスが無料で利用できる物件も少なくありません。NHKや民放だけでは退屈という方は、そういった付加サービスのあるマンスリーマンションを探してみるのも良いですね。

マンスリーマンションを検索するならポータルサイトがオススメ。地域や料金以外にも、間取りや設備仕様、入居可能な人数にペットの可否など、色んな条件を絞り込んで物件を探すことができますよ。NHK受信料の支払いなど、物件概要に記載されていない疑問点はサイト内から管理会社に問い合わせが可能。すべての支払い額を事前に明確にしておけば、後々トラブルになることもなく安心ですね。

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