お役立ちコラム【部屋探し】

「築年数が古い」賃貸の特徴は?メリット・デメリットをそれぞれ解説。

これから住む住まいは、どのような条件で探していますか。新築や築数年以内の新しい物件の中から選ぶ方が多いことでしょう。やはり「古い物件は、耐久性が不安」「内装に年季が入っていそう」など、マイナスのイメージから築年数が古い物件は避けられがちです。

しかし、新築や築数年以内の条件で探していても、なかなかピッタリ合うお部屋が見つからないことはよくあります。お部屋選びの選択肢を増やすために、築年数だけで候補から外すのを止めてみませんか。

今回の記事では、築年数が古い賃貸物件の特徴を解説します。あえて古い物件を選ぶことで、新築や築浅の物件にはないメリットを実感できますよ。ぜひお部屋選びの参考にしてくださいね。

「築年数が古い」の基準は何年?

「築年数が古い」とは、どれくらいの年数が経った建物を示すのでしょうか。ここでは、一般的な方が持つ築年数の感覚と不動産業界の基準について、ご紹介します。

どれくらいなら築浅?

築浅という判断はあくまでも個人の感覚に委ねられるため、築何年以内なら「築浅」と呼べるといった明確な定義は、そもそも存在しません。

不動産情報サイトが一般消費者向けに実施したアンケートで、約40%の人は5年以内が築浅のボーダーラインと回答しています。築3年以内が築浅のボーダーラインと回答した人は30%程度でした。このような回答結果から、一般的には築3~5年の物件が築浅と言えそうですね。

築10年以上経つと築浅という認識から外れるため、築古物件とされることがあります。ただし、築10年以上が築古物件というのも、あくまでも個人の感覚です。内見で内装設備を確認してみると、新築物件とそれほど差がないケースもあります。築年数だけで判断せずに、さまざまな視点でお部屋をチェックするようにしましょう。

不動産業界の基準

不動産業界では、築30年以上のを築古物件と呼ぶことが一般的です。国土交通省が2018年に実施した「住宅・土地統計調査」の結果をグラフ化しました。

(参照: 平成30年住宅・土地統計調査)

賃貸物件を示す「民間借家」の項目を見てみると、築年数30年以上の物件は全体の30%以上を占めています。一方で、築30年未満が70%ほどありますよね。ただこの70%の中には築数ヶ月~築30年未満の物件がすべて含まれているため、多く見えるだけです。賃貸物件の中から築30年未満の物件だけを取り上げてグラフ化したものを見てください。

(参照: 平成30年住宅・土地統計調査)

一般の方が「築古」と判断する築10年以上の物件が半数以上を占めています。そのため築年数だけで条件を絞り込むと、ステキな物件に出会える可能性が大きく減るでしょう。また、築年数が古い物件は年々増加傾向です。多くの物件の中から選ぶには、築年数にあまり強いこだわりを持たないことをオススメします。

築年数が古い物件を選ぶメリット

ここでは、築年数が古い物件を選ぶメリットをご紹介します。新築や築浅物件にはない魅力を知り、ぜひ前向きに検討してみませんか。

選択肢が広がる

築年数が古い物件を選ぶことによって、部屋探しの選択肢が広がる点は大きなメリットでしょう。築古を条件から外すと、新築や築浅物件だけに絞られるため候補がとても限定されることに。お部屋探しでは、さまざまな条件を付ける方がほとんどではないでしょうか。たとえば最寄り駅から徒歩圏内、お風呂とトイレ別、オートロック機能付きなどの条件がありますよね。

人気の条件を付けるほど、提示される物件数はどんどん減っていきます。その状態にさらに築古物件を除く条件を付けるとどうなるでしょうか。条件に合う物件は、ほとんど出てこないかもしれません。しかし築年数が古い物件を候補に入れることで、より多くの物件の中から検討できます。少しでも選択肢の多いほうが、ステキなお部屋に出会える可能性が高まるでしょう。

家賃負担が軽い

家賃が安いことも築古物件を選ぶメリットです。古い物件は、新築や築浅物件に比べて価格が抑えられます。同じ広さでもお得な家賃で住めるでしょう。できるだけ家賃負担が軽いお得なお部屋を選ぶなら、築年数の条件を入れずに探してみてくださいね。

やはり新築や築浅物件は家賃が高くでも「住みたい」と希望する方は出やすいものです。築年数が浅いと、内装も外観もキレイですよね。もしかすると最新の設備で整えられているかもしれません。しかし築古物件は築年数がネックになり、なかなか希望者が現れにくい傾向に。そのため、少しでも入居希望者を募るために家賃を下げていると考えられます。

和室の間取りに住める

築年数が古い物件には和室が間取りに取り入れられているケースが多く見受けられます。和室があるお部屋に住めるのも築古物件の魅力です。とくに落ち着く雰囲気を好む方やレトロ感のある和の空間が好きな方にとって、和室付きの物件は狙い目でしょう。子供を遊ばせてもケガをしにくい点も安心です。

和室に合うインテリアや家具を取り入れて、自分の好きな生活空間を作り上げることも可能。和室に押入れや天袋が付いている間取りの場合は、収納スペースが多い点も嬉しいポイントに。物が多く収納スペースに悩んでいる方にも、和室がある間取りは向いているでしょう。

新築のような物件もある

築古物件は内装が古臭いと思っている方も多いのではないでしょうか。建物が建てられた当初の内装から大きく変わっていない物件もありますが、中には新築のような内装の物件があります。築古でも内装がキレイな物件を狙うなら、リノベーション済みを条件に探してみましょう。

リノベーションとは、今ある状態を新築のようにするだけでなく、さらに価値のある状態へ良くするための工事のことです。新築は新しいというだけで魅力があり、家賃が高くても入居希望者が現れます。一方でリノベーション済みの築古物件は築年数が経っている分、家賃が安い傾向です。新しくキレイな内装のお部屋にお得な家賃で住むならリノベーション済みの築古物件がオススメです。

築年数が古い物件を選ぶデメリット

築古物件にはデメリットがありますが、事前に確認したうえで特に問題がないと思えた場合。築古物件は、お得に住めるため狙い目でしょう。

外観のデザインが古い

築古物件のデメリットには、外観デザインの古さが挙げられます。建築当時は新しいデザインだったかもしれません。しかし時代の流れとともに、外観に古さを感じる場合があります。ただし外観が古いからといって、お部屋探しの候補から外すのはオススメできません。外観の劣化箇所をきちんとメンテナンスされた物件は、手入れが行き届いているため安心して暮らせるでしょう。

また大切なのは、外観よりも内装ではないでしょうか。年代を感じる外観でも内装がリノベーションされている物件なら、ほぼ新築に近い状態です。「快適に暮らせる室内か?」という視点でお部屋をチェックしてくださいね。

室内設備が古い

室内設備の古さが気がかりに思い、築古物件は条件から外しているという方もいることでしょう。確かにキッチン周りや水回りの設備に年季が入ったものを使用しているケースはあります。古い設備は劣化している可能性があり、故障やトラブルに見舞われるリスクも。しかし築古物件だからといって、すべて古い設備を使っているわけではありません。

内見時やWebサイトに掲載の写真で、室内設備の状態を確認しましょう。きちんとメンテナンスされていて、清潔感があるかどうかがチェックするポイントです。もしかすると、水回りだけは新しく入れ替えて、新品になっているというケースもあるかもしれません。メンテナンスされている物件なら、故障やトラブルに遭う可能性は低いでしょう。

建物の性能が低い可能性がある

防音性や耐震性、断熱性などの建物の性能の低さも気になるポイントですよね。1981年に耐震性能に対する新たな基準が定められました。1981年よりも後に建てられた建物なら新耐震基準を満たしているため、震度6強から震度7程度の地震にも耐えられる強さがあります。

ただ建てられた年が1981年頃で、新耐震基準と旧耐震基準のどちらに対応しているのか、はっきりとわからないということもあるかもしれませんね。不安な場合は直接管理会社に確認しておきましょう。

音漏れについての心配は、内見時にチェックしましょう。ドアや窓を閉じた状態で、どれくらい外の音が聞こえるのかを確かめる方法があります。室内で携帯電話を鳴らしてみて、部屋の外にまで音が聞こえていないかをチェックすると、音漏れの確認もできます。

築年数が古くてOKなら、マンスリーマンションもオススメ

最後に、家具家電付きのマンスリーマンションについても紹介します。たくさんの選択肢の中から、自分に合ったお部屋を見つけましょう。

家具家電付き物件なら、手間が大幅に短縮

築年数が古い物件でも「それほど問題ない、気にならない」という方は、マンスリーマンションも候補に入れると、選択肢がさらに広がります。一般的に家具家電付きのマンスリーマンションは、「通常の賃貸物件より家賃がやや高めだから」という理由で諦める方もいることでしょう。しかし築古物件なら家賃は比較的低めの傾向。その浮いた家賃分を活用して、家具家電付きマンスリーマンションを選ぶのです。

通常の賃貸物件では自分で家具家電を用意する必要があります。要不要を検討し、きちんとレイアウトできるのかを考えなくてはいけません。しかし、マンスリーマンションはすでにお部屋に備え付けられているため、手軽に引っ越しが終えられます。

またガスや電気、水道などのライフラインの契約の手間もマンスリーマンションなら不要です。入居したその日から生活ができる利便性は魅力でしょう。お部屋によっては高速の光インターネットが使い放題のところもあります。

マンスリー契約から通常の賃貸へ変更できるケースも

マンスリーマンションに住んでみて、住心地が気に入った場合には通常の賃貸契約ができる会社もあります。切り替えプランを活用すると、築古物件に住んでも後悔は避けられるでしょう。マンスリーマンションなので、1ヶ月程度からの短期契約が可能です。「お試し住み」をしてみて、気になる点があれば次のお部屋にすぐに引っ越しができます。

マンスリー契約で住心地や周辺環境をチェックして、そのまま通常の賃貸契約へ変更できると引っ越しの手間がなく、家具家電を新たに購入する必要もありません。

ただし、切り替えプランはマンスリーマンションならどこでも実施しているものではないため、注意しましょう。また切り替えには利用条件が決められている場合も。不動産管理会社に一度相談をオススメします。

マンスリーマンションは魅力的な物件が豊富!

不動産業界では、だいたい築30年以上経過した物件に対し「築年数が古い」と言われます。全国にある賃貸物件のうち、約30%が築古物件です。お部屋探しで、築古物件というだけで候補から外してしまうと、それだけで出会える物件数を狭めることに。

選択肢を広げるためには、築年数にそこまでこだわらないほうが良いでしょう。家賃が比較的低めで、リノベーション済み物件なら、内装が新築のようにキレイなお部屋もあります。

外観や室内設備が古いことは気がかりに思うかもしれませんが、メンテナンスが行き届いて、清潔感があればそれほど問題はないでしょう。内見やWebサイトに掲載の写真でしっかり確認することをオススメします。

築年数が古くても良いと思う方は、ぜひマンスリーマンションを候補に入れてみませんか。家具家電付きなので、手軽に新生活が始められます。ライフラインの契約手続きも不要です。短期契約ができるマンスリーマンションで住心地の良いお部屋を見つけましょう。

この記事を書いた人

澤田なつ/Webライター

2016年2月までCADオペレーターとして自動車部品の図面作成をしていました。2019年からフリーランスのWebライターとして活動しています。
執筆するときは「読者が知りたいことに寄り添える内容になっているか?」を意識しています。資格は、2級ファイナンシャル・プランニング技能士と簿記3級、図書館司書を持っています。
小学生の娘が2人います。趣味は裁縫で、娘たちが好きなアニメのコスプレ衣装を作ることが好きです。
着付け師範の資格を2012年に取得しており、講師経験もあります。最近では着付けの様子を動画で撮って、Instagramに投稿することにはまっています。

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