お役立ちコラム【暮らしのヒント】

新しい夫婦の形「友情結婚」とは?メリット・デメリットも詳しく解説

「◯歳になったんだから、そろそろ結婚しないと!と言われるのがつらい」「結婚で今のライフスタイルが変わるのは嫌」

既存の結婚観やライフスタイルの変化に違和感を覚える方もいることでしょう。結婚観や夫婦の形が多様化する中で、新しい夫婦関係として注目を集めるのが「友情結婚」です。最近ではNHKの番組「ねほりんぱほりん」で2023年3月に特集されました。

友情結婚は「友達以上恋人未満の関係」や偽装結婚と、どのように異なるのか疑問に思う方も多いのではないでしょうか。今回の記事では「友情結婚」という新しい夫婦の形をご紹介します。友情結婚を望む理由やそのメリット・デメリットを詳しく解説。「従来の結婚観はなんだかしっくりこない」という方は、友情結婚を検討してみませんか。

「友情結婚」とはどんな夫婦の形?

そもそも「友情結婚」とはどういった夫婦の形なのでしょうか。まずは、友情結婚の定義について見てみましょう。また同じ意味と思われがちな偽装結婚との違いもご紹介します。

「友情結婚」の定義

友情結婚とは、従来の結婚観とは異なる新しい夫婦の形です。夫婦間に恋愛感情はなく、お互いの利害や価値観の一致など、恋愛感情以外の面で気持ちに繋がりを持っています。お互いを尊重し、友情をベースに良い関係性を維持。恋愛結婚でもお互いを尊重したり思いやりの気持ちを持ったりするものですよね。

一般的な結婚との違いは、「異性として好き」と思う恋愛感情がない点でしょう。恋愛感情がないため、ともに支え合い、協力し合う姿勢が従来の結婚スタイルより重視されやすい関係性といえます。

たとえば、乗り越えるには夫婦の協力を必要とする問題が出てきたとき。恋愛感情のある夫婦なら、気持ちでカバーできることも多いでしょう。しかし友情結婚の場合は恋愛感情がないため、問題に対してよりシビアな目で判断する可能性があります。

偽装結婚との違い

友情結婚と偽装結婚は同一視されやすいですが、まったく別物です。偽装結婚と友情結婚は、結婚の目的や実態に大きな違いがあります。

<偽装結婚について>

目的 ・法的な利益を得る
具体例 ・外国籍の人が就労資格を得る
・繰り返した借金返済から逃れるために姓を変える
実態 ・別々に生活
・夫婦関係が存在しないケースもある

偽装結婚は、刑法第157条の公正証書原本不実記録に問われる可能性があります。犯罪行為なので、5年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金が課せられるでしょう。

一方で友情結婚は、友情をベースにした関係性を持つ夫婦の形態です。恋愛感情はありませんが、傍から見ると「ごく普通の夫婦」にしか見えません。友情結婚はあくまで自分らしいライフスタイルを得るための手段の一つで、そこに悪質な意図と実態があるか、が偽装結婚との大きな違いといえるでしょう。

「友情結婚」を希望する理由

友情結婚を選ぶ方は、よくある結婚のスタイルでは実現が難しかったり乗り越えられない不安があったりするのかもしれません。なぜ友情結婚を希望する人がいるのか、その理由をご紹介します。

自由な生活を維持したいから

自分自身のライフスタイルを変えたくない気持ちから、友情結婚を希望する方がいます。結婚すると、パートナーと一緒に過ごす時間が増え、独身のときからライフスタイルが大きく変わるケースも珍しくありません。今まで快適に暮らしていたスタイルを変えるのは、人によっては大きな負担に感じることも。

また、相手への「好き」な気持ちがベースの恋愛結婚は、家庭への思いがプレッシャーになることもあります。一方で友情結婚は友情で繋がっているため、お互いの時間や趣味、仕事のキャリアを尊重しやすい関係性です。自分自身を大切にして自由を維持できる生活を送りたいなら、友情結婚を検討する価値はあるでしょう。

結婚や将来に対して不安を抱えているから

結婚することにあまり興味がない方でも、老後への不安は持ちやすいものです。「恋愛関係は求めていないけれど、将来に不安があるからパートナーが欲しい」という方も少なくありません。

また家庭環境に問題がある中で成長した場合は、結婚に対して良いイメージはないでしょう。他にも、雇用状況や将来的な資金計画などの経済的な問題から、結婚は考えられないという方も。友情結婚は友情でつながったパートナーが相手なので、結婚のハードルを下げて共同生活を送りやすいでしょう。

従来の結婚観に縛られたくないから

従来の結婚観と聞いて、「堅苦しい」「決まりきったもの」と良くない印象を持つ方もいます。従来の結婚観に縛られたくないため、友情結婚を選ぶ場合があるのです。一定の年齢になると周囲の人に結婚を急かされたり、ある程度の経済力を求められたりする経験をした方も多いかもしれません。

「普通」の枠に、自分を収めるのは「つらい」と感じる方もいます。自分のライフスタイルや価値観に合った結婚を進めやすくするための選択肢の1つと言えそうですね。

友情や共通の趣味・興味を大切にしたいから

友情や共通の趣味、興味を持つものなどを通じたつながりを重視し、長期的な関係を築きたいという考えを持っている方も友情結婚を選ぶケースがあります。結婚後もお互いが共有できる趣味や興味を持ち続けられるため、コミュニケーションがスムーズにできそうですね。

共通の趣味・興味を通じて築かれる関係は、お互いのことを理解し合い、パートナーの気持ちや価値観の尊重へとつながります。結婚生活がより安定し、長期的な夫婦関係を築けるでしょう。

「友情結婚」のメリット

友情結婚をするメリットをご紹介します。長期的に良い夫婦関係を築きたい人には、友情結婚のメリットをチェックし、検討してみませんか。

両親を喜ばせられる

両親や親族から「結婚はまだなの?」と急かされた経験がある方も多いのではないでしょうか。人生の中で結婚は一大イベントのため、パートナーの選択について心配されることがよくあります。

友情結婚をする大きなメリットは、両親を喜ばせられることです。恋愛結婚と同じように、婚姻届を出して夫婦になるスタイルの友情結婚。そのため、友情結婚だったとしても周囲からはわかりません。両親が想定している従来の結婚をしたと思ってもらえるため、喜んでもらえるのでしょう。

社会的な信用度が上がる

友情結婚のメリットは、社会的な信用度が上がることもあります。世間では「結婚して一人前」と見られることが多いものです。周囲からの期待に応えるため、結婚を考える人も少なくありません。社会的な信用度が上がると、仕事でも信頼性が高まりやすいでしょう。

また、結婚していることが有利に働くケースが他にもあります。メリットは、住宅ローンや賃貸物件の審査が通りやすくなる点でしょう。結婚し配偶者がいると、家族手当や税金の優遇措置などを受けて経済的な負担を軽減できる点もメリットです。

友情が深まる

結婚を通してお互いの友情が深まり、より強固な関係性を築ける点もメリットです。結婚前から、友人としての信頼や理解がありますよね。結婚後は、お互いを良き理解者として支え合い、ともに成長ができますよ。

共通の趣味や興味を共有し合ったり、新しい経験を重ねていくうちにさらに絆が深まります。以前からの友情が深まり、パートナーをサポートし合う強い絆を築けるでしょう。価値観が合うパートナーと充実した結婚生活を送れそうですね。

理性的な選択ができる

恋愛感情がないため、気持ちに左右されない冷静な判断ができる点もメリットです。自分自身や相手を客観的に見極められるので、合理的な選択ができます。理性的な意思決定ができるため、曖昧な判断を避けられるでしょう。将来の展望や目標をパートナーと共有しやすい特徴もあります。

また、友人としてのお互いに尊重し合う気持ちが基本にあるため、コミュニケーションを取りやすいでしょう。将来の展望や目標を共有しやすく、感情に左右されない冷静な判断ができるため、健全な結婚生活を送れそうですね。

子どもを育てることもできる

友情結婚をするメリットには、子どもを将来的に育てられる点もあります。友情結婚では恋愛感情がありません。そのため妊活の方法を事前に話し合う必要がありますが、その後に子どもを持つことも可能です。

「恋愛はしたくないけれど、子どもが欲しい」と考える方にとって、友情結婚が最適な方法ではないでしょうか。結婚して子どもがいることで、世間から見るとごく普通の家族に見えますね。

事前にお互いの考えをすり合わせてから妊活を始めるため、子育てに対する希望を共有できます。生まれる前の話し合いのおかげで、子育て中は意見の相違が起きにくく、協力し合いながら過ごせるでしょう。

「友情結婚」のデメリット

友情結婚のデメリットもご紹介します。新しい夫婦の形は、良い面ばかりではありません。デメリットも踏まえたうえで、自分にあった夫婦の形を選びましょう。

両親や親族からの反対されやすい

恋愛結婚に比べて「友情結婚」は、新しい夫婦の形です。そのため昔ながらの伝統的な考え方を持つ両親や親族からは、理解を得るのは難しいかもしれません。「恋愛感情がないのに結婚」というスタイルが、矛盾した夫婦関係のように見えるのでしょう。

両親や親族からの反対され、摩擦が生じる可能性もあります。理解を得られないことによって、結婚の準備や今後の生活がスムーズに進まない恐れも。しかし親や親族とコミュニケーションを図り、お互いの意見を尊重する姿勢を持つことで、反対を和らげられるかもしれません。

子どもを望めない可能性がある

友情結婚は、子どもを望めないかもしれません。友情結婚では恋愛感情がないことが、子どもを望む場合は大きな壁になる可能性も。友情結婚の夫婦の場合、どちらか一方だけが子どもを望むかもしれません。

このようなお互いの感情の違いや価値観の不一致が、結婚生活に摩擦が生じるかもしれません。最悪の場合、離婚問題にまで発展する恐れがあります。友情結婚を選ぶ際には、子育てに関することをきちんと話し合う場を設けましょう。

パートナー以外に恋愛感情が出る

恋愛結婚では想定していない状況として、恋愛感情がパートナー以外の人に芽生える可能性があります。パートナー以外に恋愛感情が出ると、友情結婚の夫婦間の関係に影響が出るかもしれません。恋愛感情が発展し、パートナーへの興味やコミュニケーションが減る可能性も。

「好きな人ができたときに、夫婦生活をどう乗り越えるのか」という点が友情結婚を続けるカギではないでしょうか。友情結婚する前に、パートナー以外への恋愛感情に対するリスクへの対処法を事前に考えておくことをオススメします。

友情結婚をする前にしておきたいこと

最後に、友情結婚をする前にしておきたいことを4つご紹介します。事前に、2人でしっかりと話し合ってくださいね。

家事などのルールを明確にする

結婚前に、家事などのルールを明確にしましょう。家事の分担を決めたり日常生活のルールを話し合ったりすることが大切です。友情結婚は、恋人や夫婦間のロマンチックな感情に頼らない関係です。お互いの役割が明確になると、夫婦で協力し合えるようになるでしょう。

日常生活のルールも忘れずに話し合ってください。生活費の管理や来客への扱い、お互いのプライベート時間の確保などがあります。お互いの期待や考えを共有し、コミュニケーションを大切にすることで、一緒に暮らす上でのトラブルを未然に防げますよ。

金銭感覚をすり合わせる

金銭感覚をすり合わせも結婚する前には大切です。お金に関する価値観や考え方は異なることがあります。お金に関する問題が起きる前に、金銭感覚の共有が重要です。

たとえば、将来の生活やライフスタイルに対する考え方や優先順位、節約、貯金など、お金への価値観を確認してください。また、何にお金をかけたいと思っているのか、互いの金銭的な目標や希望についても話し合いをすることがポイントです。

金銭感覚のすり合わせで、お互いの考えを尊重し、協力し合うためのルールが明確にできます。結婚後の生活をスムーズに進められるでしょう。

婚前契約書を取り交わす

婚前契約書を取り交わすことも結婚後も平穏に暮らすために必要です。結婚により夫婦間の法的な関係が生まれます。お互いの価値観を共有し、将来の可能性を想定するようにしましょう。

お互いの価値観や考え方を明確にできるため、結婚後に揉めそうなことを把握でき、将来のトラブルを未然に防げるのです。また婚前契約書には子どもを産む産まないといった、子育てに関する選択肢も含めて明確にします。子どもの有無や子育てに関する考え方は結婚後に大きな問題を引き起こす恐れも。婚前に互いの意思を確認することで将来の展望を共有できますね。

お試し同棲で相性を確認する

友情結婚をする前お試し同棲で相性を確認をしましょう。友人としては良好な関係でも、夫婦としての共同生活を送ってみると相性が良くないかもしれません。事前に同棲をして確認することが大切です。

友人としては気にならなかったことが、結婚後に共同生活をする中で問題になるかもしれません。「お試し同棲」で、結婚前にお互いの相性を確認できます。日頃の習慣や性格、価値観などが見えてくるため、将来の結婚生活を予想しやすくなるでしょう。お試し同棲を通じて、問題や課題があれば早期に解決し、良好な関係を築くための改善策を見つけられます。

マンスリーマンションで「お試し同棲」してみよう!

友情結婚は、テレビ番組でも特集されるほど注目を浴びている新しい夫婦の形です。恋愛感情はありませんが、お互いのことを思いやり、尊重し合う友情をベースに成り立っています。従来の結婚観に縛られない自由さがメリットですが、周囲から理解を得られにくい可能性があるでしょう。また、友情結婚をする前にはお互いの価値観のすり合わせが大切です。

婚前契約書を作り明確にしたり、家事や家庭内のルールについても認識を合わせたりすることがポイントに。やはり、一緒に暮らした場合の相性が最大の懸念点ではないでしょうか。一緒に住む状態をリアルに体験するために、「お試し同棲」がオススメです。

お試し同棲には、マンスリーマンションがピッタリ。短期間の契約が可能で、お部屋には家具家電付きです。少ない荷物で同棲が始められますよ。また、お試し同棲をしてみて「一緒に暮らすには相性が良くない」とわかったらすぐに退去可能です。

同棲をすることで見えてくる面をあるかもしれませんね。まずは、2人暮らしができる物件の中から、住んでみたいと思うお部屋を探してみませんか?

この記事を書いた人

澤田なつ/Webライター

2016年2月までCADオペレーターとして自動車部品の図面作成をしていました。2019年からフリーランスのWebライターとして活動しています。
執筆するときは「読者が知りたいことに寄り添える内容になっているか?」を意識しています。資格は、2級ファイナンシャル・プランニング技能士と簿記3級、図書館司書を持っています。
小学生の娘が2人います。趣味は裁縫で、娘たちが好きなアニメのコスプレ衣装を作ることが好きです。
着付け師範の資格を2012年に取得しており、講師経験もあります。最近では着付けの様子を動画で撮って、Instagramに投稿することにはまっています。

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