お役立ちコラム【暮らしのヒント】

最適な暖房の設定温度は20℃?でも寒すぎる! という方に知ってほしい豆知識。

夏は異様に暑く、冬は非常に寒い。春や秋といったノーエアコンで過ごせる気持ちの良い季節がどんどん短くなり、ここ数年は一年を通して冷暖房費に悩まされるようになってしまいました。しかも物価高で電気やガスなど光熱費の料金は上がる一方。できれば、毎日の生活のために少しでも節約したいものですよね。

そこで今回は、寒い冬に必須の暖房費について色々と調べてみました。寒いからとエアコンの設定温度を高いままつけっぱなしにしていると、1ヵ月間でどれくらい電気代の差があるのでしょうか。またエアコン+αでできる節約術や、同じ温度でも体感温度を上げられる工夫など、今すぐに実践できる簡単なものをご紹介します。

それでも寒いのは耐えられない! という方は、断熱効果の高い物件や暖かい地方へのお引っ越しも検討の価値あり。その場合、まずはマンスリーマンションでのお試し住みがオススメですよ。理由とメリットも併せて解説していきます。ぜひ最後まで読んで、快適な冬を過ごしてくださいね。

環境省が推奨する冬の室温は20℃! でも真冬は20℃じゃ寒い!?

国が推奨する室温は夏28℃・冬20℃です。ただ省エネには良いですが、真冬の室温20℃は体感温度が低く感じられ寒いという人も多いようです。エアコンの設定温度は何度が適切でしょうか。

一般的なエアコンの暖房設定温度は22~25℃

日本の環境省が推奨している室温は、夏が28℃で冬は20℃です。ただしこれはあくまで室温であり、外気温が40℃近くまで上がる真夏に設定温度を28℃にしていても、エアコンの機能性や湿度によっては実際の体感温度は28℃まで下がらないことがあります。逆に雪が積もるような真冬の寒い夜に設定温度を20℃にしていても、耐えられないほど寒いと感じることもあるでしょう。

同じ季節でも朝夕と日中では気温の差がとても大きいため、エアコンで適正な室温まで上げ下げするには外気温や部屋の構造によって調整した方が良いでしょう。パナソニックの調査結果によるとエアコンユーザーの暖房設定温度は23℃が最多で、平均値は22~25℃でした。

またリンナイの調査では四国・九州地方の設定温度がもっとも高く、東北や北海道の方が低いようです。北部にお住まいの方は普段から寒さに強いだけでなく、暖房効率の良い住宅が多いことが理由でしょう。

設定温度を1℃上げるたびに電気代は10%アップ

自宅で快適に過ごすためには、暖房の設定温度を調整した方が良いことは確実ですが、やみくもに温度を上げてしまうと電気代がはね上がってしまいます。エアコンの暖房設定温度を1℃上げるだけでエネルギー消費量は10%上がるといわれているので、エアコンの電気代が月に1万円の方なら1,000円もアップすることになりますよ。

それでは実際に、エアコンの暖房設定温度を20℃にした場合と、3℃上げて23℃にした場合ではどれほど電気代が違ってくるか見てみましょう。

エアコンの電気代 比較目安(朝6時~24時まで計18時間稼働)

設定温度 設定温度20℃ 設定温度23℃
1時間あたりの電気代 約5.3円 約7.1円
1ヵ月あたりの電気代 約2,862円 約3,834円

※電気料金目安単価31円/kWh(税込)・2023年モデルの6畳用エアコンを使用
※お住まいの地域や気象条件、使用条件、住宅構造、電気代単価の変動によって異なります

最新のエアコンを使用した場合でも、暖房設定温度を3℃上げるだけで1ヵ月あたりの電気代は約972円の差が生じます。古いエアコンや畳数が広いタイプ、使用する台数の多さ、冬季全期間となればもっと大きな差額になってくるでしょう。

冷房より暖房費が高い理由は外気温との差!

冷房より暖房の電気代がかさむのは、外気温と設定温度の差が原因です。夏場の室温37℃と設定温度28℃の差は9℃しかありませんが、冬は2℃の室温を設定温度20℃まで上げると18℃も差があり、2倍の負荷がかかります。そのため同じエアコンを使っていても、冷房より暖房費の方が高くなってしまうのです。

室温=体感温度ではない! 感じる温度を快適にするために必要なことは?

エアコンで室内を適正な温度にしても、暑いと感じる人もいれば寒いと感じる人もいます。それは人それぞれが感じる体感温度の違いがあるから。その理由と対策方法をご紹介します。

湿度が高ければ暖かく、低ければ涼しく感じる

よく「ヨーロッパの40℃は我慢できても、日本の35℃は耐えられない」といわれるように、人間は湿度が高ければ暖かく、逆に低いと涼しく感じます。これは皮膚表面の水分が蒸発したり、熱を奪われることで温度感覚が変化するため。また風の強さも体感温度に影響するので、強い風が吹くと人間は温度が下がったように感じるそうですよ。

そのため夏は除湿してなるべく室内の湿度を下げ、冬は加湿器などで湿度を上げることが体感温度を調整するコツ。暑い日はエアコンと同時に扇風機で風に当たると良いですが、逆に寒い日は空気を循環させるためにサーキュレーターを回しても、人に当たらないよう風向きを変えることが大切です。

体感温度は筋肉量や遺伝子によって人それぞれ違う

同じ年齢の男女でも、男性は暑がりで女性は寒がり、エアコンの設定温度について家族で揉めるという話をよく耳にしますよね。これは人間の熱生産は6割が筋肉によるもので、生まれつき筋肉量が多い男性は少ない女性より暑さを感じやすいため。

筋肉量が減少してしまった高齢者が、暑さを感じにくくなるのもこれが原因のようです。また温度を脳に伝える遺伝子の性質が人によって異なるので、同じ家族でもそれぞれ体感温度が違うのです。

冬の暖房は湿度を上げて風に当たらないのが効率的

上記のように、室温が必ずしも体感温度ではないことが分かりました。暖房しながら加湿器や濡れた洗濯物で部屋の湿度を上げるだけで、体感温度がアップ。喉や肌の乾燥対策にもなりますね。

また風が直接当たらないようエアコンやサーキュレーターの風向を変えるのも有効ですよ。高性能なエアコンなら、自動設定で室内の温度ムラをなくし湿度を一定以上に保つので、古いエアコンは買い替えるのもありですね。

エアコンの暖房費を節約する方法を徹底解説!

1℃上げるだけで電気代が10%上がるエアコンの暖房費。けれど設定温度を下げて寒い思いをしては元も子もありませんよね。ちょっとした工夫で体感温度を上げる方法がありますよ。

室内の空気を循環させる&窓の寒さ対策をする

部屋の湿度を上げることが、同じ室温でも体感温度を上げられることはすでにご紹介した通り。ほかにはサーキュレーターなどを使って室内の温度ムラをなくすことも大事ですよ。寒気は下(足元)に、暖気は上に(天井)溜まる性質があるので、エアコンの風向調整をしつつ天上に向かって風を送れば、部屋の温度がまんべんなく循環します。

またエアコンはオンにしてから設定温度に達するまでがもっとも電力を消費するため、部屋がまだ暖まっていない間から循環させると早く設定温度に達し電気代の節約になりますよ。

よほど古い木造住宅ではない限り、最近の住宅は断熱材を使用して室内の温度を保つ効果がありますが、窓には断熱材を施工することができないため外気温の影響を受けてしまいがち。二重窓やエコガラスにリフォームするのが効果的ですが、手軽にできるのは断熱シートを窓に貼る方法。サッシに隙間テープを貼って冷気を遮断する、長め&厚めのカーテンを取り付けるのも寒さ対策になります。

エアコン+αで室内の温度以外を暖める

色々ある暖房機器の中でも、部屋全体を暖められる物の中ではもっともコスパが良いといわれるエアコン。設定温度20℃で賢くコストカットしたいところですが、それでは寒いと感じる方も多いですよね。そんな時は温度を安易に上げるのではなく、エアコン+何かで暖を取る方法もありますよ。

暖かい空気は天井へと上がってしまうので、足元が冷えがちです。厚めのソックスやモコモコのルームブーツをはくと体感温度が上がりますよ。下半身を暖めるこたつも有効。一般的にこたつの消費電力は300~600Wくらいなので、複数人が入れる物でも電気代は1時間約12円。

こたつは保温機能が高いため、弱でキープしていれば1時間あたりの電気代は約1.6円です。24時間つけっぱなしでも約38円しかかからないので、エアコンと併用すればかなりお得に体感温度を上げられますね。

ほかにも電気ストーブや電気カーペット、オイルヒーターなど暖房機器は多々ありますが、節約面で考えるとエアコンと併用するのはオススメできません。大きさにもよりますが、どれもエアコンより消費電力が大きく、思っているより電気代がかかってしまいます。エアコン+αで節約する時は衣類で体を温めるか、こたつを弱で併用するのが良いでしょう。

エアコンの暖房機能を最大限に生かす

エアコンの使用量を少しでも減らそうとして、こまめにスイッチを切っていませんか? エアコンの暖房は、冷たい部屋の空気を設定温度まで上げるスタート時がもっとも多くの電力を使っています。一度暖まった室温を維持する電力は少なくて済むため、短時間内の外出や掃除で換気する時などはエアコンをつけっぱなしにする方が電気代は安くなりますよ。1時間以上の外出や睡眠時はオフにし、在宅中はつけたままにするのが節約になるでしょう。

またエアコンの機能性を最大限に生かすために、こまめなフィルター掃除は必須。自動掃除機能がある場合でもフィルターの目詰まりはするので、2週間に1度掃除するのがベストです。ほかにも節約を意識して風量を弱にしていると、室温を上げるのに時間がかかり余計な電気代がかかりますよ。とくにつけ始めは自動設定にしておくのがオススメです。暖かい風が上へ行く性質上、風向は下にして、風が直接人に当たらないように気をつけましょう。

それでも寒さに耐えられないなら、引っ越しもあり!?

寒い冬を省エネで乗り切るエアコン節約方法をご紹介しました。しかし体感温度が人より低い、そもそも寒いのが極端に苦手、古い住宅で断熱効果がなく隙間風が吹くなど、今の寒さに耐えられない! という方は、思い切って自宅をリフォームする、もしくは断熱効果の高い家に移り住むのもありかもしれませんよ。リモートワークが可能な仕事や、転職を考えている人なら、暖かい場所に引っ越すのもひとつの選択肢ですね。

そんな時は、気軽にお試し住みができるマンスリーマンションがオススメ。家具家電付きだから大掛かりな引っ越しが必要なく、電気やガス、インターネットなどライフラインも開通済みなので面倒な手続きを自分ですることもありません。どれくらいの機能性がある住居なら、寒さに耐えられるか試してみるのにもってこいですよ。

また知らない土地での仮住まいにもマンスリーマンションがお役立ち。たとえば東京と大阪でも11月~3月の最低気温は大阪の方が平均1~2℃高く、年間積雪量も東京の方が断然多いなど同じ都心でも気候の差は大きいですよ。東日本以北の寒さがつらい方は移住を検討しても良いかもしれませんね。

カテゴリーから探す