お役立ちコラム【暮らしのヒント】

2年契約の賃貸物件を途中解約したい!違約金やデメリットはある?

就職や転勤などの理由により、今の家に住み続けられないことがあるでしょう。契約更新のタイミングで退去できれば一番スムーズに手続きが進められますが、うまくいかないことも起きるものです。

途中解約で不安に思うのは「契約違反になる?」「違約金が発生する?」ということではないでしょうか。今回の記事では、2年契約の賃貸物件を途中解約する際にデメリットがあるのかということをご紹介します。

そもそもなぜ契約期間が2年なのか?ということから、詳しく解説します。また、期間限定で暮らしたいときの住まいの選択肢についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。

賃貸物件の契約期間はなぜ2年?

契約書に記載の契約期間は、多くの方は「2年」と設定されています。なぜ1年や3年ではなく2年なのか、その理由について迫ってみましょう。

普通借家契約と定期借家契約

賃貸物件の契約には、普通借家契約と定期借家契約の2つのパターンがあります。その2つの契約について、違いを一覧表にまとめました。

更新 契約期間
普通借家契約 可能 2年が多い
定期借家契約 不可(再契約は可) 1週間~年単位などさまざま

更新の可否や契約期間に違いがあります。更新はできませんが、期間を自由に設定できるのは定期借家契約です。

賃貸契約のうち、普通借家契約が94.8%も占めていることが2022年度の「国土交通省 住宅市場動向調査」からわかっています。このことから、更新可能な普通借家契約が通常の契約スタイルと言えるでしょう。

そもそも「定期借家契約」を知らない人も多いため、賃貸物件は2年契約と思っている人が多いことも事実です。2022年度の「国土交通省 住宅市場動向調査」で定期借家制度の認知度を調べた結果があります。この調査で定期借家契約について「知らない」と回答した人が全体の 61.3%もいるのです。

時期が来たら更新をする普通借家契約が多い賃貸物件ですが、定期借家契約も制度として存在します。定期借家契約では更新ができないため、契約前には契約書をよく見ましょう。

契約期間が2年の理由① 期間の定めのある契約がしたいから

普通借家契約で2年契約と決められている理由は、やはり「期間の定めのある契約」を大家さんや不動産管理会社が結びたいからです。

賃貸物件の契約期間については、借家借地法の第29条に規定があります。普通借家契約の場合、契約期間を1年未満に設定すると「期間の定めがない物件」になるのです。これでは、借主と貸主が解約に関する規定を具体的に設定できません。

大家さんや不動産管理会社にとって、解約規定をしっかり定められないのはとても不利な状況です。契約期間を1年以上にすることで、「期間の定めのある物件」に。期間が決まっているからからこそ、解約の申し入れのタイミングや手続きについて、重要な項目を事前に決定できます。

契約期間が2年の理由② ライフサイクルに合わせているから

契約期間が2年と設定されている理由には、借主のライフサイクルに合わせるためということも挙げられるでしょう。たとえば大学生のライフサイクルを考えてみましょう。大学の学生生活は通常4年間ですよね。2年契約なら大学生活の間に1回更新ができ、卒業までの間にちょうど良い契約期間を設定できます。

契約期間が3年だとしたらどうでしょうか。期間が「長すぎる」と感じるため、借主は契約を敬遠する可能性があります。また契約期間を1年にすると、借主は1年ごとに更新や引っ越しの手続きをおこなう必要があるでしょう。

中間の2年の契約期間にすることで、借主は安定した暮らしをちょうどよい長さで維持できます。大家さんや不動産管理会社も安定した家賃収入を得られることから、2年契約が多いのです。

解約までの手順と違約金

2年契約の予定でも途中で解約することも起きます。契約途中で退去する際には、「違約金が発生するのでは?」と不安になる方もいることでしょう。ここでは、解約までの手順と違約金についてご紹介します。

解約連絡を入れるタイミング

賃貸物件を解約する際には、連絡を入れるタイミングが重要です。一般的なルールとして、退去予定日の1ヶ月前に連絡をすることが推奨されています。ただ、連絡を入れるタイミングが「1ヶ月~2ヶ月前」のように、物件によって異なる可能性もあるかもしれません。契約書に記載された、連絡を入れる期限をしっかりチェックしてくださいね。

大家さんや不動産管理会社に連絡をして、具体的な解約方法を確認しましょう。また退去予定日が1ヶ月以上先でも、引っ越す時期がわかった時点で早めに連絡を入れても良いでしょう。早めに連絡を入れることで、引っ越し準備をスムーズに進められますよ。

実際には違約金が発生しないケースがほとんど

賃貸物件を解約しても違約金が発生するケースはほとんどないため、安心してください。ただし、物件や契約条件によっては例外的なケースもあります。そのため解約する前には、契約書の内容をしっかり確認しましょう。契約書には解約に関する規定や違約金が明記されています。

違約金発生の可能性があるのは、あまりにも短期間で解約した場合です。たとえば、2年契約の物件を数ヶ月で退去したケースが挙げられるでしょう。契約よりも大幅に短期間で解約すると、大家さんや不動産管理会社にとってはかなりの負担に。次の入居者を探す時間や費用がかかるため、違約金を請求する場合があります。

途中解約が発生する理由には何がある?

2年住もうと思っていたのに、途中で解約が発生するケースについて見てみましょう。生活環境の変化が主な理由ですが、具体的な内容をご紹介します。

転勤

途中解約が発生する1番の理由は転勤ではないでしょうか。とくに3月4月の新年度が始まるタイミングで配置転換が起き、転勤命令を出されるケースが増えます。転居を伴わない異動で済むケースもありますが、大掛かりな引っ越しを求められることも珍しくありません。3月から4月にかけては引っ越しの繁忙期のため、多くの人が移動します。

転勤が決まると、「次の部屋を探さないと」「新しい部署に馴染めるかな」と焦りや不安が出てくるものです。ついうっかり、今のお部屋を退去する連絡を忘れることも起きるかもしれません。1ヶ月前の連絡ができないと、家賃を余分に支払うことになる恐れも。大家さんや不動産管理会社へは、早めの連絡を心がけましょう。

就職

大学や専門学校を卒業するタイミングで就職するときも、途中解約が発生しやすいでしょう。大学は4年間なので賃貸物件が2年契約なら1・2年目で更新し、3・4年目の終了時点で退去できれば、途中解約は発生しないはずです。ただ、人によって途中解約になるケースがあります。大学生活と契約について3つのパターンをご紹介します。

たとえば、留年して5年目に卒業する方の場合。パターン②のように5年目に卒業するタイミングで解約することになるでしょう。また、1年目に学校の学生寮に入っていた方が2年目以降に一人暮らしをする場合も途中解約を迎える可能性があります。パターン③のように、更新後1年で途中解約が起きるでしょう。

結婚

結婚が決まり2人で住む家に引っ越す場合も、途中解約が発生する理由の1つです。結婚を機に、個人がそれぞれ契約していた賃貸物件を解約して、新たな住まいへ引っ越すのが一般的でしょう。結婚が決まると書類を提出したり、さまざまな手続きをしたり。新生活の準備に追われる中で、退去予定日の連絡を忘れてしまうこともあるかもしれません。

しかし、期限までに大家さんや不動産管理会社に退去予定日をしっかり連絡することが重要。せっかくの門出に、モヤモヤした気分になりたくありませんよね。解約手続きのトラブル防止とスムーズな引っ越しのために、大切なことですよ。

同棲

結婚しなくても一緒にパートナーと暮らすこともあるでしょう。同棲は、単身用の物件ではできないため途中で解約が必要です。単身者用の賃貸物件で契約しているため、そこに同棲するのはルール違反に。「黙って同棲すればバレないのでは?」と思う方もいるかもしれませんね。

しかし黙って暮らしていても、いつかはバレます。契約違反を見つけた大家さんや不動産管理会社が、違約金を請求したり法的な手続きを取ったりする恐れもあるでしょう。また、近隣住民からのクレームやトラブルに発展することも。予定が決まったら、対応している物件へなるべく早く引っ越しをオススメします。

長期出張

会社の命令で長期出張が決まった方も賃貸物件を途中解約するケースがあります。出張期間は数日や数週間で終わることもあれば、年単位に及ぶ場合も。長期出張は帰宅できる時期が明確なケースばかりではありません。

いつ戻れるか不明だったりあまりにも長期間の出張だったりした場合に、途中解約が発生する理由の1つに。長期出張の期間中、不在にしているお部屋の家賃を支払うのはとても負担に感じるものですよね。不要に感じる家賃負担をなくすための方法として、途中解約を選ぶのでしょう。

どうしても短期間で住みたい場合は?

ライフサイクルの都合上、2年契約をするつもりがなく、最初から短期契約の予定の方もいますよね。最後に、途中解約が前提でも賃貸物件を契約することについて考えてみましょう。

賃貸物件以外も選択肢に

途中解約をする前提で賃貸物件を契約するのは、特に問題はありません。しかし数ヶ月だけのように短期間の場合、そもそも賃貸契約できない可能性が高いでしょう。賃貸物件が契約できないなら、その他の選択肢としてマンスリーマンションを検討してみませんか。

マンスリーマンションは1ヶ月未満から契約できることもあり、賃貸物件より柔軟な対応に期待ができます。たとえば「半年だけ住む」など明確な期間がある場合は、賃貸物件に住んで途中解約するよりもマンスリーマンションのほうがお得かもしれません。

マンスリーマンションのメリット

期間限定の住まいにマンスリーマンションを選ぶメリットはいくつもあります。まず、家具家電がお部屋に備え付けられていることです。家具家電を自分で買いそろえる必要がなく、引っ越し作業の手間が大幅に削減できます。退去の際も運び出す必要がありません。

マンスリーマンションは短期契約が前提の住まいです。敷金礼金が不要で連帯保証人を用意する手間がありません。契約手続きの負担が軽いのも嬉しいポイントでしょう。入居時にはガスや水道、電気はすでに開栓・開通済みです。

自分で契約申し込みをしなくても、入居したその日から生活ができます。インターネットの回線状況も気になるところですよね。お部屋によっては、高速の光インターネットが使い放題の場合もあります。気になる方は事前に確認しておきましょう。

マンスリーマンションは立地のよい物件が多いことも魅力です。駅や有名なお出かけスポットに近かったり、飲食店が周辺に充実していたりなど短期間の住まいとしては最適です。

短期間の住まいにはマンスリーマンションがオススメ!

賃貸物件は2年契約が一般的です。ライフサイクルのちょうど良いタイミングに合わせて、2年ごとの更新になっているのでしょう。1年では更新が頻繁に発生することをよく思わない、3年では長すぎると感じるなどが主な理由と考えられます。

2年契約をしていても転勤や結婚、長期出張などで解約をするケースは多々あります。途中解約になっても違約金が発生する心配は、ほとんどないでしょう。しかし契約内容によっては違約金が発生する場合も。契約書をしっかり確認してくださいね。

もともと短期間のつもりでは賃貸物件の契約が難しいことも。短期契約が前提のマンスリーマンションでお部屋探しをしませんか。敷金礼金が不要で、お部屋は家具家電付きです。手続きも手軽なので、「2年契約は長すぎる」と悩む方はマンスリーマンションをぜひ候補にいれてみましょう。

この記事を書いた人

澤田なつ/Webライター

2016年2月までCADオペレーターとして自動車部品の図面作成をしていました。2019年からフリーランスのWebライターとして活動しています。
執筆するときは「読者が知りたいことに寄り添える内容になっているか?」を意識しています。資格は、2級ファイナンシャル・プランニング技能士と簿記3級、図書館司書を持っています。
小学生の娘が2人います。趣味は裁縫で、娘たちが好きなアニメのコスプレ衣装を作ることが好きです。
着付け師範の資格を2012年に取得しており、講師経験もあります。最近では着付けの様子を動画で撮って、Instagramに投稿することにはまっています。

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