お役立ちコラム【部屋探し】

すべてが生活圏にある「コンパクトシティ」とは?全国で移住にオススメの都市も紹介。

「移動手段に車が必須で、家の周辺にはコンビニやスーパーが一切ない」環境と「家から歩いて行ける範囲にお店が何でもそろっている」環境。どちらのほうが暮らしやすいと思いますか。

やはり生活するうえで必要なお店や施設が何でもそろう方が良いと、多くの方が考えることでしょう。街の機能をギュッとまとめた「コンパクトシティ」が今、注目を浴びています。

今回の記事では、コンパクトシティの概要や人気の理由を詳しく解説します。全国のオススメ都市もご紹介しますので、これからの暮らし方として移住を検討してみませんか。「いきなり移住する勇気はない」という方にピッタリの住まいもご紹介します。毎日の暮らしをより充実したものにしていきましょう。

コンパクトシティとは

コンパクトシティは国が推進している街のあり方です。なぜ国がコンパクトシティを推進しているのか、その背景や問題点なども解説します。

国がコンパクトシティを推進する背景

国がコンパクトシティを推進する背景には、2021年に国立社会保障・人口問題研究所の調査データがあります。2070年には、日本の人口が2020年時点の7割程度に減少する予測データを発表しました。

このことから国は、ますます進む少子高齢化の中で社会インフラを継続して使えるようにするため、都市の形成を進めていく必要があると考えました。あちこちに点在している都市機能を1箇所もしくは周辺に集約できれば、地域経済が活性化できると考えたのです。

コンパクトシティの整備により、住民は安心して長期間にわたり暮らせるでしょう。高齢者や移動に制約のある人もスムーズな日常を送れるため、生活水準の維持ができます。将来の人口減を見据えて、持続可能な都市環境を構築するために、国はコンパクトシティの推進を積極的に進めています。

コンパクトシティの理想の姿

コンパクトシティの理想の姿は、大きく3つあると考えられます。まず1つは車を持たなくても徒歩や自転車などで生活ができることです。徒歩や自転車での移動は、渋滞とは無縁なので、移動に対するストレスがほとんどないでしょう。

また環境保護に対する意識が高まるなかで、車を持たなくても生活ができるコンパクトシティは重要な役割を持っています。住民が徒歩や自転車での移動を積極的におこなうことで、大気汚染の軽減につながるため、環境に優しい暮らしができるのです。

次に、少ない移動で生活ができるため、移動時間の縮小によるストレス軽減もコンパクトシティの理想の姿です。通勤や外出に費やす時間を節約に。今まで移動にかかっていた時間は、家族と過ごしたりリラックスしたりするために使えます。移動以外に時間を充てる余裕ができるため、ストレス軽減や幸福感アップにつながるでしょう。

最後に、行政や福祉のサービスを効率的にできる点もコンパクトシティの良いところです。住民が近くに住んでいるため、限られた場所に集中してサービス提供ができます。市役所などの公的機関へのアクセスも負担なくできるため、生活の質の向上に期待が高まります。

コンパクトシティの問題点

コンパクトシティを国は積極的に推進しようとしていますが、実は一般的にはあまり浸透していません。国土交通省が実施した国民意識調査によると、「コンパクトシティ」というワードについてよく知らない人が7割以上いました。ただし「コンパクトシティ」という言葉を知らないだけで、都市機能を集約する必要性は感じていることがわかりました。

コンパクトシティが今後急速に進むと、コンパクトシティとそうではない地域との差が生じることでしょう。コンパクトシティではないエリアに住む人々が、不便を感じるかもしれません。農業や林業、漁業などの一次産業に関わる人は、その地域でしか仕事を続けることが難しいものです。コンパクトシティが進むことで、地域経済や暮らし方に影響する恐れがあります。

コンパクトシティの考えが人気の理由

コンパクトシティの考えがなぜ、多くの人が必要だと感じているのでしょうか。ここでは、コンパクトシティの概念が人気の理由を3つご紹介します。

交通の利便性

都市の機能が集まっているため交通の利便性が良く暮らせること。それがコンパクトシティの人気要因と考えられます。車がなくてもバスや電車などの公共交通機関で楽に移動ができるでしょう。コンパクトシティでは、さまざまな施設が近くに集中しています。通勤や通学、買い物、通院などの日常生活がスムーズに。移動にかかる時間が短いので通う負担が少ないでしょう。

コンパクトシティでの暮らしは交通費も削減できます。車を所有しているだけでも、維持費がかかるものです。また街の主要な施設へのアクセス性が良くないと、公共交通機関を利用するにも交通費の負担は大きいものになるでしょう。コンパクトシティなら、移動費も抑えられるので家計への負担が減らせます。

商業施設の充実度

商業施設が1ヶ所に集まり、充実しやすいこともコンパクトシティの魅力です。都市の機能が集約されたコンパクトシティでは、自然に人が集まります。そのため商業施設も人が集まるエリアに集中するでしょう。

大型のショッピングモールや飲食店街、レシャー施設などが近くに並ぶことが想像できます。さまざまなジャンルの商品やサービスに人々がアクセスでき、買い物や食事、レジャーなどを楽しみやすい環境が整うのです。

「遠いから出かけるのは止めよう」と思っている場所はありませんか。コンパクトシティができれば、行きたい場所が近いので気軽に出かけられるようになります。多くのスポットへ徒歩や公共交通機関で気軽にアクセス可能です。遠出する必要がないため、生活が充実しやすくなるでしょう。

住民がエリア内で買い物をしやすいため、コンパクトシティは地域経済が活性化を支える存在に。地域の魅力が高まり、新たな街並み形成につながることでしょう。

行政サービスの向上

コンパクトシティでは、人が集中するエリアは限定されます。そのため、行政がサービス向上させたいことに予算も人もかけられるのです。特に地方自治体では、限られた地域に効果的にサービスを提供できるため、住民の生活向上に期待が高まります。

コンパクトシティの概念を導入で、公共交通機関やインフラ整備に関する財政を見直す機会ができます。無駄な支出を減らし、効率的に予算を分配が可能です。老朽化が進んだ建物や道路の補修も進めやすくなるでしょう。エリア内の開発が進み、必要な施設やサービスに資金を充てる余裕が生まれます。より快適で安全な生活で、日々の暮らしぶりも向上できる点は、コンパクトシティの大きな魅力です。

コンパクトシティといわれるオススメの都市7選

最後に、コンパクトシティといわれる全国のオススメの都市7選をご紹介します。都会的な暮らしができつつ、少ない移動で日常生活が十分に送れるエリアを7つ、ピックアップしました。それぞれの街の特徴をご紹介しますので、今後住む街の参考にしてくださいね。

札幌

北海道の南西に位置する札幌市は、北海道の中では公共交通機関が整備され、会社や商業施設が集中しているため住みやすいと好評の都市です。北海道の都市と聞くと、「車がないと生活できないのでは」と不安に思う方もいることでしょう。札幌駅周辺を100円で乗車できる「都心内100円バス」が走り、大通駅を中心地地下鉄線が3路線通っています。

また、札幌市では地震や洪水などの災害発生時には迅速に対応できるよう、行政機関やライフラインの確保などを想定した計画を進めています。徒歩圏内に公共施設やスーパーなどがそろっていると、もしもの事態の安心感は大きいものでしょう。

街の中心に施設が多く集まっているものの、自然も多数残されています。季節感を味わえるため都会と自然の調和が取れた環境です。

金沢

石川県の中央付近に位置する金沢市もコンパクトシティとして暮らしやすい都市です。JR北陸本線が通り、北陸新幹線の始発駅の金沢駅を中心に街が発展しています。2003年に「歩けるまちづくりの推進」の条例が制定されました。

市民が快適に安心して歩ける街づくりを進めるための条例です。車がなくても移動がしやすいように、公共レンタサイクルの「まちのり」を導入しています。

金沢市内は細い道が多く、大きな路線バスが入れない道路もいくつもあります。公共交通機関の利用が困難な地域の不便さを解消するため1999年に「金沢ふらっとバス」の運行をスタートしました。住宅地と駅、商店街などを結び、市民の移動手段として活躍しています。市民の移動の不便さを減らす取り組みを実施する金沢市は、コンパクトシティとして暮らしやすい街と言えるでしょう。

名古屋

愛知県内の人口の約30%が住む名古屋市もコンパクトシティと言えます。地下鉄や私鉄、JR線、新幹線など複数の路線が通る名古屋駅は利用者数のもっとも多い駅です。他にも名古屋市内に主要な駅があり、金山駅や栄駅、大曽根駅などを中心に街が形成されています。

主要な駅と名古屋駅は地下鉄やJR線で繋がっているため、駅同士のアクセス性は良好です。バス路線も充実しているため、車がない方でも不便さを感じません。

金山駅や栄駅、大曽根駅は駅の周辺に商業施設が充実しているため、近くに住むと移動手段は徒歩だけでも十分暮らせるでしょう。レジャー施設や文化施設など、余暇を満喫できるスポットも豊富です。

岐阜

愛知県の北に位置する岐阜市も、少ない移動で生活が可能です。JR線の岐阜駅と名鉄線が通る岐阜駅は、徒歩で3分ほどの距離しか離れていません。JR線と名鉄線で名古屋方面や岐阜県内の他のエリアへの移動がスムーズにできます。岐阜駅にはバスターミナルが併設され、市民の移動を支えています。

2017年に岐阜市は「立地適正化計画」を立てました。住宅と⽣活に関連する医療や福祉、商業施設などがまとまって⽴地するように、公共交通機関と連携した街づくりを進める計画です。

岐阜駅から徒歩圏内に市役所や文化センター、公園などがあり公共施設が集まっています。地上43階に設置された展望室から岐阜市内が一望できる「岐阜シティ・タワー43」へは岐阜駅から徒歩約3分です。気分のリフレッシュのお出かけもしやすい街並みでしょう。

京都

京都府の人口の約60%が集まる京都市はバス路線が発達し、市内のほとんどの場所へバスで移動ができるコンパクトシティです。地下鉄線は、京都駅から北へ2キロほど離れた烏丸御池駅を中心にして十字に通っています。

気分転換や趣味でお寺巡りをしたいとき、車を運転したり電車やバスを乗り継いだりして遠くまで出かけるのはたいへんですよね。京都市はバス路線が充実しているため、歴史ある寺社へ気軽にアクセスができます。

またレジャー施設や商業施設など、多彩なジャンルの施設が京都市内にあるため、幅広い世代がコンパクトな移動で暮らしを満喫できる住環境です。徒歩以外に自転車も活用してスムーズな移動をしたいところですが、場所により自転車通行禁止区域がある点に注意しましょう。街なかを移動するときは、徒歩がおすすめです。

神戸

神戸市はビジネス街と住宅エリアが近く、通勤に便利と言われています。大阪方面へアクセスしやすい好立地で、兵庫県内の30%弱の人が住む街です。移動時間を短縮できるので、自分や家族のことに時間をかけられるため、毎日が充実した暮らしを送れることでしょう。人々の生活の質を高めたいと考える国の「コンパクトシティの概念」に合致した街です。

神戸市内には阪急線や阪神線などの私鉄や地下鉄線、JR線などの路線が多数あります。バスは三ノ宮駅を中心に市内の広い範囲をカバー。2022年からは三ノ宮駅から1キロ圏内のバス路線をICカードで乗車すると利用料金が110円になる実証実験を実施中です。公共交通機関を利用しやすくする取り組みが実施され、神戸市はコンパクトシティとしてますますの発展に期待が高まります。

福岡

福岡県の玄関口としては北東にある北九州市が有名かもしれません。北西の端に位置している福岡市は、県内の人口が約30%も集まる福岡県最大の街です。博多駅を中心に街が栄えています。福岡市の一番の魅力は、空港へのアクセス性の良さでしょう。博多駅から福岡空港駅までは5分しかかかりません。出張や旅行、帰省など飛行機を利用する機会が多い方には、絶好の環境ではないでしょうか。

2022年に福岡市が実施した「市制に関する意識調査」では、「福岡市が好き」「福岡市が住みやすい」「福岡市にずっと住み続けたい」と回答した方が90%以上もいました。(※そう思う・どちらかといえばそう思うを含む)実際に暮らす方が住みやすいと感じる街は、コンパクトシティでの暮らしを望む方が生活を始めても充実した日々を送れることでしょう。

移住前の「お試し住み」はマンスリーマンションを活用!

生活に必要なお店や施設が何でもそろうコンパクトシティは、少子高齢化が進むなかで注目を浴びている街のあり方です。徒歩や公共交通機関で気軽に出かけられ、商業施設が充実。ショッピングもグルメも、気分のリフレッシュもさまざまなことをコンパクトな移動で対応ができます。居住エリアが限定されるため、行政もサービス向上に向けて動きやすくなる点もメリットでしょう。

全国各地にコンパクトシティとして暮らしやすいと言われる街がたくさんあります。今回の記事では7つの都市を紹介しました。ただ、いくら暮らしやすいと言われても実際に移住するのはハードルが高いと思う方もいることでしょう。移住前に「お試し住み」をすると安心です。

気軽なお試し住みには、マンスリーマンションを活用してみませんか。家具家電がお部屋に完備されているので、自分で用意する手間がありません。短期間の契約ができるので、気になるエリアが複数ある場合は、それぞれでお試し住みも可能です。コンパクトシティで充実の暮らしを始めましょう。

この記事を書いた人

澤田なつ/Webライター

2016年2月までCADオペレーターとして自動車部品の図面作成をしていました。2019年からフリーランスのWebライターとして活動しています。
執筆するときは「読者が知りたいことに寄り添える内容になっているか?」を意識しています。資格は、2級ファイナンシャル・プランニング技能士と簿記3級、図書館司書を持っています。
小学生の娘が2人います。趣味は裁縫で、娘たちが好きなアニメのコスプレ衣装を作ることが好きです。
着付け師範の資格を2012年に取得しており、講師経験もあります。最近では着付けの様子を動画で撮って、Instagramに投稿することにはまっています。

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